手に届く所に置く

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チャンスについての話で「なるほど」と思う事があって、これはマーケティング施策なんかもすべてそうですし、戦略立案の時も使う考え方なのですが「準備をしていつでもできる状態にしておく」という事が「チャンスを掴むために最も必要な行動だ」という事です。

たとえば、私のコンサルティングでは事業者様に最初に作ってもらうのは「現有リソースから120%程度の実力で出来るであろう、ある種理想の表現」だったりすることが多いのですが、そこに対して「現実」は届いていないからこそ「ああ、足りないな」と思いながらも「現状の100%」を落としどころとしてアウトプットしてもらったりします。

「そんなことをして何の意味があるの?」

と思う人もいるかもしれませんが、実はこの「(理想に対して)不足していることを自覚する」と言うのはもの凄く大事で、たとえば「事例さえあれば、この実績を簡単に証明できるのに」と解っていて日々の業務に取り組んでいれば、そういうフェーズに直面(あるいは何らかの商談のプロセスで会話・交渉のできそうな瞬間に)「価格を下げる代わりに事例を貰いたいのですが」のような、その想定が無かったら「絶対に考え付かなかったであろう取引(ディール)」を叩きこんだり出来るようになるのですが、こういう応用が利く思想の原点は「その認識がそもそもあるから」という事であり、だから「認識内に入れておく」と言うのはとても大事です。

言い換えればこれは「そういう欠片を脳の手の届く所に置いておく」事にほかならない訳なのですが、写真で言えばこれはもっとシンプルに「カメラをなるべく持参しておく」くらいの事で十分事足ります。というか、それこそが「シャッターチャンス」を掴むための最低条件であり、カメラ無くして写真は撮れない訳ですから、まさに「基本にして王道」と言えることでしょう。

今日は、飛行機の帰りになぜか座席でカメラを首から下げるという「どんだけだお前」みたいなことをしていたのですが、登場した飛行機が羽田空港の混雑により、空港上空を旋回する最中で収めたのが以下の雲の写真です。

もの凄く神秘的で、「おお、遅れるって言うのも楽しみ方があるものなのだな」とか勝手に関心していたのですが、これにしたってカメラを座席の上の物入に入れていたら撮影できなかったわけで、「チャンスを掴むための準備」としての「手に届く所に必要なものを置いておく」という基本の重要性を改めて感じるところです。

知識にせよ、製品にせよ「それが、すぐ出来る状態になっておく」ことはチャンスを活かすための初歩であり、最大の一歩と言えます。なるべく多くのチャンスを的確に捉えるために、記憶にとどめておいてほしいポイントと言えそうです。

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