「見立て」をつくる

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マーケティングコンサルタントとして様々な業界、分野の企業様と仕事をする中で、私の実績は50社をこえて来ているので、多くのクライアント企業様が、様々なお話における「目安」について聞いてくることがあります。わかりやすい例を挙げると、近哲マーケティングを始めようとしている事業者様が「記事は何本くらいあったら良いんでしょうかね?」みたいな質問なのですが、この答えは明確な回答が画一的にあるのではなく、「その企業の目的や施策に応じて変化する」と言うのが私の考えです。

要はみなさんは「つくること=やること」の様にポイントをフォーカスするためそのような質問が出てくると思うのですが、そういう際は「やること」よりも「続けること、告知すること」を考えたほうが良く、たとえば1年間の間、毎週SNSなどで告知をしたいのならば、最初に用意すべきは52本になりますし(なぜなら、1年間は52週間だから)、SEOの記事で上位に上がってきたいならケタが変わるというのが一般的な見解です。

ただし、特にBtoBビジネスにおいて「そもそも、検索でプロダクトを探すんでしたっけ?」とか、あなたの上司は、あなたが「検索で見つけた会社の稟議です」と上申したら、「いやいや、もっと回りに聞くとか展示会に行くとか他の方法は検討したのか」とか言わないんですか? とか問い返すと「あれ……?」という顔をする。世間で言われる「良くある話」が貴社にとっての最適解であり、合理性のあるものなのか?と言うのは必ずしも一致しない……と言うことなんですね。

写真にしても、これから行く先の景色や状況を知ることはとても重要で、たとえば、花であれば開花のシーズンなどを狙うかもしれませんし、目に飛び込んでくる景色の大きさに応じてカメラやレンズを選定することもあるでしょう。「すべて持っていく事のリスク」については、別コラムにも書いてある通り「集中できない」という状況や、純粋に荷物がかさばるなんてこともありますから、厳選を前提にすると、ここでもやはり「見立て」を作って行動することは大事です。

撮影旅行なら「行く事を目的としない」ように、重要なのは「行く事」ではなく「行った先でどうするのか?」の方がはるかに重要な訳です。同様にビジネスに置いても「やること」が重要なのではなく「やった先にどうするのか?」の方がはるかに重要であるという事です。

それをしたらどうなるのか?
どの位の需要が見込めるのか?
それに対して、事前に準備できる事は何か?

たとえば、このくらい詰めていく事が出来れば「見立て」は必ずあなたの次の行動をポジティブに変容させることでしょう。

目の前の事は「確かに大事」かもしれませんが、そこだけに捕らわれず、もう少し先を見据えて「見立て」を立てていきたいものです。

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