メリハリをつける

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最近、カメラを持っての取材撮影では、バスツアーを利用して足を伸ばすことにしています。まあ、これは私が仕事の休みを「平日」に出来る事も関連しており、車内にせよ、現地にせよ、さほど混雑していないことを活用してのものです。ただ、バスツアーですから、当然基本は「団体行動」になる訳で、すべての現地ではタイムリミットが存在します。

ツアーの自由時間は、基本的に決して短すぎる事はありませんが、それらは一般的に「観光をする人のために設計されている時間」です。「写真を撮影すること」を主眼に置いている私にとっては、何かを犠牲にしないと、あるいは手早く物事を進めないと集合(バスに戻る)時間には対応できません。

ですから、主題にあるような「メリハリをつける」ことを意識する必要があります。

「メリハリをつける」と言う行為を、簡単に行ってしまうとそれは、「何かを諦める」と言うことだと思います。

要するに「やりたいことをすべてやったら時間をオーバーするから」ですね。これは仕事や人生におきかえてもいえる事で、マーケティングなんかもそうですが、「施策を延々と練り込む時間があるなら、もういっそ出してしまったほうが良い」みたいな事もありますし、「たくさんの施策を手広く中途半端にやるくらいなら、何かに絞り込んで集中すべきだ」というのも、当然メリハリの一部になることでしょう。人生レベルで考えても、そういう物ごとの選択を迫られる瞬間はあるはずです。

写真撮影×バスツアーで考えるならばそれは「お土産はハナから買わない」みたいな事もそうかもしれませんし、観光地であれば「撮影時間そのものに区切りをつけてしまう」なんてこともあるでしょう。

一見して、この「制約がある」と言うのは悪いことに見える人もいるかもしれませんが、私は結構これを「ポジティブ」に捉えています。と、言うのもダラダラと時間をかけて撮影して粘ってみたり、する必要がある局面もあるかもしれませんが、それをやりたいのならば「自分で別に時間を取ってまたくればいい」と思いますし(その時は目的が明確ですからジックリプランを練られるでしょう)、バスツアーで来たくらいですから、そもそも現状の自分は「現地の状況を良く知らない」訳です。

ですからこれは、言い換えれば「プロに定番の場所を教えてもらっている」ことに等しいわけで、ちょっとした簡易的な「視察(ロケハン)」の意味も含まれていることになります。その中で、与えられた時間をやりくりすることは、確実にタイムマネジメントの鍛錬になりますし、自分の撮影に対する手際(それは道具選びもそうですし、現地での行動もそうですし)の良さも向上させていく事になります。

そういう各種の体験のなかで、自分のパターンをある程度確立し、もちろん、現地での撮影も与えられた制限の中で最大限楽しむ。

結局、人生における長期的な「違い」などというのも、こんな日々のちょっとしたプロセスの捉え方、使い方の累積で変わっていくのかもしれません。そのような時間の使い方を覚えることは、長期的な成長を考えたとき、有効に機能することでしょう。

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