優先順位を付ける

19

マーケティングを改善し、売上向上に寄与する……と言う題目を掲げてコンサルタントを行っていると当然そうなるのですが、活用するメソッドは「受注プロセス戦略」という同一のものだとしてカリキュラムが一定になるなんてことは、まずありえないです。と、言うのも話は簡単で、その企業で発生している「問題の箇所と優先順位(治せる可能性)」と言うのが企業によって違うからです。

たとえば、受注に至るプロセスと言うのは、BtoBなら大枠で分解しても認知広告と呼ばれる数々のものから、Webサイト来訪や、パンフレットの読み込み、セミナーの公募、アポイントを取得するための各種のやり取りを経由して、商談、そしてそのあとのフォロー……と言う風に流れていく訳ですが、「この全体像の何処に問題があるのか」と言うのは企業によって明確に違います。

そして、そういった状況に対して処置をする優先順位は

①問題が起きており
②売り上げに寄与するスピードと可能性が高いところ

を優先して改善していくわけですが、それを無視して、のんびり「まずは資料請求を増やすためにバナーのクリック率を向上させましょう」なんて「お勉強」をやっていたらその間に赤字はドンドンと拡大していく訳です。現場の担当者目線ならまだしも、経営層としてはこんな状況では非常に困る。ですから、やるべきことは必然的に「優先順位を付けた取り組み」は重要だと言うことになります。

写真撮影における「優先順位」

あくまで私の場合ですが、写真撮影ってやっぱり「優先順位」と言うものが明確に「ある」と思います。限られた時間の中で行動しているときは特にそうなのですが、たとえば半日時間があって、どうする?という時と、1日時間があってどうする?という時、その時に持っている移動手段(徒歩、電車、タクシー、自家用車など)と言うのは明確に違う訳ですから、私は基本的に、「そのタイミングの時にしかできない事」を優先しますし、「その移動手段でないと面倒くさい場所」というのはやはり優先的に潰していきます。

そして、それは必然的に「被写体」を定めていく事になります。

とくに、季節要因の強い「花、自然」等はこれに大きく該当することでしょう。「別のタイミングになると再現性が落ちる(撮影タイミングを逸する)」というこれらの話は、「その瞬間」だから価値が最大化する。

仮にその場所に、その時期にもう一度訪れる可能性があったとして、その時も今回と同じようなリソース(時間、移動手段、機材、環境)が揃っているとは限りません。ですから「今しかできないこと」を優先的に潰す。それは結果的に、「二度と出会えないかもしれない瞬間」を切り取っていることにもなると思います。

なお、別にこれは「被写体」に限らず、マーケティングの施策などもそうなのです、「学割」は入学時だからピークになりますし、GWだから旅行代金が値上がりするのも結局同じような道理で動いているにすぎません。「いつでも同じ料金でホテルを出します!」ってそれはもちろん売れるのでしょうが、裏を返せば「儲けそこなっている」事にも他ならない訳でして、ビジネスはそういう訳にはいかない訳です。

このように「優先順位」とは、あらゆる物事に適用できるものでありながら、「意識」をそこにもっていかないと冒頭の様に「まあ、ひとつずつやっていこうよ」みたいな悠長なことになり、結果的に「機会損失」を生むことにもなっていきます。時間は有限であり、「今が旬」と言うものがあることを理解することで、何事にも「優先順位」の意識を持っていきたいものです。

関連記事

error: Content is protected.