違いを体感する

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ビジネスにせよ、趣味にせよ、ある一定の「安定期」に入ってみると、多くの方は「まあ、それは良し」と言う事で、ここで一定の水準を維持する事を望む人は案外多いものです。なぜなら、「それで一定満たされているから」ですね。で、もちろんここで止めるのも選択肢の一つとしては尊重されるべきことですが、私はいつもこのいわゆるコンフォートゾーンみたいなものに入った時は「もう少し上に伸びてみる」と言う事をやっています。

これは、マーケティングやビジネスなら「上手くいっている施策に、あえて変化を加えてみる」と言ったような事で、きっかけは純粋に「ところで、これをもし、こうしたらどうなるんだろう?」と言ったような知的好奇心もあっての事です。

特にビジネス領域などだと、「いやいや、そんな事をして思っていたよりも失敗したらどうするんだ」と言ったような事(リスクへの恐怖)をつい考えてしまう方も多いと思うのですが、結構そこで「いや、ダメなら戻せば良いんだし、必要に迫られてからじゃ遅いじゃないか」と思い直してあえて進むことには案外価値があるものです。

私の場合、趣味の写真撮影で具体例をあげると、ひたち海浜公園に出かけた今回の撮影では、あえて焦点距離が「丸被り」する、Leicaの単焦点と、SONYの大三元標準ズームレンズを持っていき、その双方で写真を撮影してみました。

もちろん、SONYのズームレンズの方がズームですから、多少の調整は利くわけですが、あえて両方持っていく事で「違うのは分かっているんだけど、具体的にどう違うのかが分からない」と言うのを無くしたかったんですね。

それで実際撮影したのが以下の2枚です。

Leicaで撮影

SONYで撮影

まあ、焦点距離が違うのは許してもらうとして、ご覧いただいたままに、たとえば「青の発色の違」いや「雲の表現」の「差」なんかは、「なるほど、こう変わるのか」と、肌(あるいは視覚的に)に感じることは多いです。どちらが好き、と言うのは好みの話もあるにせよ、この「差」を肌で知っている、と言う事は、私は「もの凄く価値のある事」だと理解しています。

なぜなら、やっぱりその分、純粋に「引き出しが増える事」に相違ないからです。

こういった「違い」は、やっぱり「頭で解っているつもり」になっていても、実際に体感してみないと、その実用性を感じることはありません。「いまのままでも、それなりの結果が出るから」というコンフォートゾーンに定住することは、ある意味「安定性」を手にする代わりに、「成長の可能性」に対しては排除することになりかねないという事です(そして多くの場合、安定性は永続しません)。

だからこそ、出来うる限り試して、その差を「身をもって知る」。

私は今回の撮影を通じて、「この2本を被っても持っていくのは全然アリだな」と思った訳ですが、これはもし、理屈だけで判断するなら「合理的ではない」可能性もある訳ですね。でも、この仕上がりを知っていれば「どっちもそれぞれの味がある」から、使い分けを考えることが出来ます。

そんな風に、行動を通じて経験を積むことで、「違い」を本当の意味で理解することもまた、回り道のように見えて、着実な成長の歩みとなる。やはり、行動は、知識よりも雄弁だとおもうこと、しきりです。

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