ゼロから組みなおす

436

マーケティング領域、あるいは人生のビジネス構築などでも自分が「意識しているポイント」と言うものがあります。それが、「まったくもって、あたらしい局面に挑戦するときは、なるべく過去の資産を持って行かないようにする」と言う事です。

むろん、基礎理論やパターンと言うものは一定ありますから、「どうやっても基本」と言うのは動かしませんが、たとえば最もわかりやすい部分で言えば「人間関係」や「施策の評価」などでしょうか。不変ではなく、時間の経過とともに関係性が変わるものなどについては特に注意深く「なるべく引き継がないように」する……と言うのを自分は大事にしています。

これはいわゆる「過去の成功体験に捕らわれる」という話もそうなのですが、それよりも大きいことは、特に新しい何かに打ち込もうとするとき「過去の資産をなるべく持っていこうとすると、そのしがらみに引きずられるから…」という事です。過去の人間関係、過去の成功体験、過去のあらゆる資産などは、確かにスタートダッシュを決めるにはある程度の役割を果たすことは事実ですが、一方そこに「依存しすぎる」事で、自分自身を新たに発見するようなブレークスルー(革命、改革)が中々起きない…と言うデメリットを持つ「という側面がある」ということです。

写真撮影にこれを置き換えれば「一写真が撮れた時の条件を、コピーするように撮影しているとき」などは、これに該当することでしょう。「学んだリソースを活用しているのだからそれで良いのでは?」と思われる方もいらっしゃると思うのですが、私が言いたいのは「結果」ではなく、そこに至る「プロセス」の話であり、たとえば。

1)「前もこんな感じで撮ったから、これで撮影しよう」と、いきなりコピーするのと、
2)自分なりに1から組みなおした結果、前の構図と似た感じに収まった

と言うのでは、中長期的に物事を捉えたとき、明確な「差が出てくるであろう」という事です。

とかく、我々は「簡単な方」に流されがちですが、あえて「何もない」という状況を作り、それを丁寧に「ゼロからスクラッチする」という行為を繰り返すことは、一見してパフォーマンスが悪いように見えて、徐々にそのプロセスの中に変容が生まれ、最終的には大きくアウトプットを変えていく余地があると思います。

「付き合っている人間関係が5年も10年も変わらない人」という事にならない様、実は自分はかなり注意を払う方なのですが、「人脈」と呼ばれるそれは、確かに無駄では無いかも知れませんが「いまの、あるいはこれからの自分にとってそれが有用なのか」と言うのを、特に何か新しい「変化の局面」に映るときは「あえて、そこを使わない」という選択肢もまた、有用であり得るという事です。

そのうえで、「また、どこかで交わる事もあるだろう」という人間関係は、かならず、どちらからともなく引き合うものですし、面白いことに、そういう人間関係は、お互いが「以前とは違う立場と関係性」で交わるものであり、相乗効果が大きく出たりするのです。

かのニーチェは「脱皮しない蛇は死ぬ」と説いたそうですが、これは、マーケティングの施策1つを取ってもそうですし、もちろん、ビジネス~人生というレベルで見ても示唆に富んでおり、あえて何度でも「基礎設計から練り直す」という行為は、徐々に「正解だと思っていた過去の自分」を上書きする可能性を生み出します。

過去に固執せず、あえてゼロから何度でも組みなおす勇気を、特に新しい局面においては持ち、過去の「資産」と思っていたはずの「禍根」に後ろ髪をひかれ、新たなる可能性・チャンスを見逃すようなことにならないよう「捨てる」という思想を常に心掛けたいものです。

関連記事