「自分なら…」を見つける

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マーケティングコンサルタントとして活動する中で、クライアント企業様が非常に多く犯す間違いに相対することが良くあります。たとえば、具体的に書けばそれは「とりあえずSNSはやるべき」とか「SEO対策をシッカリとやりたいのだが…」と言った切り口で始まる相談の大半。すべてがすべて「そう」とは言いませんが、手段を目的化していたら、そもそもの需要を見誤っていたり、目の前の小さな指標と本来の目的をはき違えるなど、戦略上の「大きな誤り」をしている企業、人と言うのは案外大きなものです。

いつも、そういう意見に対して問いかけるワードがありまして「何のためにですか?」と言うものです。SEO対策などはその顕著な例で、「それをする事で流入がたくさん取れて…」などと言うのはまさに「王道」の回答なのですが、無料のツールでお客様の想定する検索ワードを具体的に調べてみると、日本全国で月間の検索量が10~50件だったりすることも珍しくなく、そういった領域で仮に「検索1位」を取ったとして、どう考えても本来の目的(受注)から考えれば「もの凄く筋の悪い話」だったりします。

厄介なのはこういう行為は「やらないよりもやったほうが良い」と言うのは間違いがなく、ただし冷静に考えると、

1.労力に見合っていない
2.投資対効果がまず合わない
3.優先順位が相対的に低い

とはなるはずで、つまり「万人にとっての正解が、貴社にとっての正解では必ずしもない」と言うことを意味します。

趣味の領域でもこの話は変わらなく、「基本」と言うものは確かに重要ですが、写真撮影ひとつをとっても「SNSで評価を貰いやすい写真」と「自分なりに満足できる1枚」と言うのは目の前的には違ったりします。簡単に言うと「被写体」などは完全にそれに該当することでしょう。先日、小田原城に行く機会があったのですが、普通に考えたら「城」を撮ればいいのですが、私はどうにも満足できる構図を見つけられなかったので、近くの風景や、サクラなどを撮影していました。「こんなところに行ってきました!」と書くだけなら「城」を撮影すればいいのでしょうが、私がやりたいことは「自分の琴線に触れたものを作品にする」ということだったので、下手は下手なりに、バスツアーの自由時間の範囲内で、持てるリソースをそちらに向けて一生懸命撮影していたわけです。

短期的な成果(SNSの評価など)を考えれば、城を撮るべきだと理解しますが、上達を視野に入れるのならこれで良いと思います。重要なのは「普通はどうするのか」と言うのを理解したうえで「自分ならどうするのか」という「軸」を持つこと。それさえできれば、それが仕事であれ、プライベートの話であれ、決断に迷いが生じず一定のクオリティを約束してくれるものになるはずだからです。

世の中には多くの成功事例、見本、手本が存在し、いわゆる「王道」と言うものも多く語られますが、重要なのは「思考停止してそれらを踏襲」するのではなく、「自分なりに吟味して取捨選択すること」にあると言えます。むろん、何も分からない段階では「まず、言われたことを試してみる」のも手ですが、それにしたって、自分なりに「それを突き詰めるとどうなるのだろう」と考えてから動くことは出来るはずです。「なぜ、どうして、具体的には、結果どうなるのか?」などを想起し、最終的には「自分ならどうすべきなのか、自分なりに行うならどうするのか?」まで踏み込むことは、同じアクションを取ったとしても、より多くのフィードバックを得るための、良き糧になることでしょう。

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