最低限の知識を得る

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今回、私は独学で改めて始めた一眼レフを手に、12年ぶりに「本格的に趣味になる」予感を感じています。その「きっかけ」になったのは、間違いなく「まず、基礎知識を固めたこと」にありました。

それらを具体的に書くと、機材のスイッチ回り(機能)における知識はもちろんのこと、絵画などにも使われる「構図」などに対する知識です。

私は、ひとつ事に集中すると、他の気がそぞろになる性格をしているので、このように「何かを始める」「何かを一気にやる」ときは、年末年始やお盆、GWなどの「長期休暇」のタイミングを使うのですが、今回は、その時間をほぼすべて「写真、カメラと構図」について時間をかけてきたため、初回の撮影で、12年前に何百枚撮影しても取れなかったような写真を(偶然かもしれませんが)撮影することが出来ました。

つまり、もし私が前回の様に「何も学ばず」に被写体に向かい合っていたとしたら、もしかしたら、学びの速度は遅くなっていたのかもしれない……ということです。

マーケティング領域において、私はよくクライアント企業様に「ほとんど覚えなくて良い。実践こそ重要だ」という趣旨の話をするのですが、「マーケティングについて、まったく学ばなくて良い」とは言っていません。やはり、すべての事象には足腰を支えるような「基礎」が存在し、その基礎の上に「実践」が重なることでこそ、人は迅速に成長する。それは、疑いようのない事実です。

正しく学ぶ重要性。ただし、「わかる」と「できる」は違う。

ここで、少しマーケティングの話をすると「マーケティングは難しい」とよく皆様は言いますが、あれは、誤解です。

「基礎を正しく学ぶ」なら、マーケティングも1~2冊の「基本の教科書」で十分であることだけをまずは、理解頂きたく思います。だからこそ「基礎」なのですから。

ただ、残念なことに多くの人がここで「もっと学ばないと!!」となぜか、学問の方に進むのでおかしなことになっていきます。

それは、写真の領域で言えば、基礎を越えて学び続けた結果「素晴らしい写真の技法や、有名な写真家についてメチャクチャ語れるようになった人」みたいなものです。それ自体は悪い事ではありません。

しかし、その方が「では、一流のカメラマンなのか」というと、必ずしもそうとは言えないのです。

たとえば、そこで「でも、自分で写真を撮ったことは無いのです」みたいな発言が出れば、みなさまは「あ、そうか」と思うはずです。

マーケティング領域においてはカメラで言う「写真」のような「わかり易い成果物(証明)」がありません。だからこそ、「人の見極め」が本当に難しいのです。

ちなみに、1つの指針を出すと、自分がもし「あなたがプロであることを証明してください」と言われたら、数多くのメディアに出たことでも、いくつもの著書を出していることでもなく、「実名で数々の(上場を含む)企業から、事例文章・許諾をもらえており、しかもそれが自分一人でやっている企業であること」を出すと思います。著書を出すのも、メディアに出るのもお金やコネがあればできることですが、企業の実名事例だけは「成果に対する正当な評価」です。これだけが、否定の余地が無いためです(少数なら縁故もあるのでしょうが)。

差別化とは本来、このような「他者に模倣が出来ないオリジナル」になるからこそ、最大の価値が生まれるのです。

真に重要なのは「小さな成功体験」を得ること

さて、話が脱線したので、元に戻しましょう。

とにもかくにも、基礎を学んだら、成長をするために必要な唯一のステップは「小さな成功体験を得ること」です。

覚えた基礎を自分の限りで遂行し「自分なりの成功体験」を持つ。

カメラなら良い写真が撮れた。友達が褒めてくれた。たまたまSNSで良い評価が付いた。マーケティングなら「メールの開封率があがった」「予測した通りの傾向が出てきた…」など、何でも構いません。

あなたの中に「小さな成功体験」が生まれることが「よ~し、もっとやるぞ!」と活力になるのです。

この「小さな成功体験」を得るのをいかに早くできるか?が「成長のカギ」になると、私は思っています。ですから、くれぐれも全力で、(昔、某ベストセラー書籍にもありましたが)まずは20時間だけでも必死に取り組んでみると良い事でしょう。

あなたの「成功体験」に期待しています。

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