「無い」なりに育てる

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マーケティングと言うのは、その施策を遂行するのにあらゆるリソースを費やすものですが、教科書にあるような実例を実践しようとするとまずぶち当たるのも、この「リソースの壁」という奴です。多くの企業は「それが無いからこそ」どうにも苦労をします。

具体的なケースで話をすると、マーケティングカンファレンスのセミナーで語られるような話の中に、時折「完成している組織」で行われる「流れるような施策」と言うものがあります。耳あたりは良いのですが、よくよく考えてみると聞いている人にとっては「ドラ〇もんのス〇夫が空き地で自慢話をしているのを聞いている、のび太」みたいなものであって、感想が「で、どうしろと?」となるケースは案外多いものです。性質の悪い時だと、話をしている本人が「実に恵まれた環境にいる事に気が付いていない」なんてケースもあって、だからこそ余計「どうしたものか」みたいになることは多いのです。

結局、リソースが無い時に出来る事なんていうのは一定の制限があって当然ですし、その中でどのように知恵をつかって「出来る範囲でやれることをやるか」という視点が重要なのですが、無いものを「無いんだから出来ないよ」と嘆いていてもそれは満たされることはありませんから、「無いなりに出来る範囲のことをやる」とか、もう少し建設的に書くならば「制限があるからこそできる事をやる」くらいの展開になると展望は開けてきます。

下記は、JALの格納庫見学ツアーで、飛行機の様子を撮影したものですが、これはレンズでかなり広角なものを使っていて「持っていないと撮影できない」という典型的な写真です。視野角よりも広いわけですから、「持っているのか、いないのか」しか問われず、「持っていない」のなら、写真を数枚撮影して繋ぎこむとかでもしないとこの構図は作れませんし、だから「いや、サクッと撮影しただけですよ」なんて、持っている身から言うと「簡単に述べる」ことが出来てしまう。

正直、ここで使った「20mm単焦点 F1.8」などというレンズは、よっぽど酔狂な人じゃないと中々持ち合わせる事もなく、私とて「ある仕事で使う用事があったから購入しておいた」にすぎません。それが今回「飛行機の格納庫を見に行けるツアーがある」と言うことで、「じゃあ、これ活躍するかも」と持参したらこうなったのです。

「じゃあ、持っていない人にはどうしようもないのかよ?」

と思われるかもしれませんが、以下に50mmのレンズで撮影した写真を置いてみましょう。こうすれば「収まる」というのは構図に注意を払った結果です。

また、あえて作品性の強いコチラの写真なども「面白い」のではないかな?と思います。

このように「制限」と言うのは、それがもたらされるからこそ「知恵」を働かせる余地が生まれます。むしろ、もし「制限が無かったら」このような作品は生まれないことでしょう。ビジネスにおいても、写真撮影の場でも「制限」を上手に使うことで「あたらしい切り口」を生み出すことが出来ます。

知恵を働かせて「だからこそできること」と言うものを表現できるようにしていきたいものです。

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