魅せたい世界を切り取る

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今日は、午後から上野動物園に足を運び、動物の写真を撮ってきました。この辺りの理由については「目的と手段」という考え方があるので別のコラムで述べるとして、今回のコラムでは今回の撮影ではすべてコンセプトを持って撮影を目指していたので、その話をしたいと思います。それが「世界の切り取り方」というお話です。

実は今回の撮影で、特に注意したのは2点。1点目は、以前のコラムでも書いていた「目線の高さ」。そして2つ目の要素は「背景」です。動物園と言う場所柄、どうしても動物たちはコンクリートの壁やケージに囲まれており、背景が抜けていくような構図は作りにくいのですが、今回の写真では、出来うる限りそういった「人工物」についての「引き算」を行い、ボカしたり、自然の背景に見えるような構図になるように注力していました。

枚数こそ多くは撮れませんでしたが自分の中では、そこそこ悪くない手ごたえを得ているつもりです。コチラの写真なんかは、影のコントラストが真ん中のアオバズグ(フクロウ科)と後ろの樹木で真逆に展開しており、かなり「明と暗」を切り分けたような写真になったりと、個人的には好きな部類で「切り取れた」と思っています。

マーケティングの世界も、よく「切り取る」

ところで、実はこのような「切り取る」考え方は、マーケティングの世界にも「良くある」事をご存じでしょうか。

我々は、あらゆるメディアから情報を取得し、その製品に興味を持ち、理解を深め、購入や、意思決定を行うのが一般的な思考プロセスですが、実はここに面白い事実があって、我々は、

1.行ったこともないところを「楽しそうだから」旅行に行き、
2.食べたこともないものを「美味しそうだから」注文し、
3.体験したこともないものを「便利そうだから」使いだし、
4.遊んでいないゲームや映画を「面白そうだから」遊んだり視聴します。

つまり、我々は常に「期待で活動」をしており、マーケティングとはつまりそういった「期待感」を、裏切らない程度に構築する事こそが重要であり、極論を言えば、実際にその事実が、期待を満たしているのか否かと言うのは「別問題」だったりします。
※だから、テレビで紹介されたスイーツやお土産が「正直いまいち……」と言う体験をした方もいるはずです。

ですから、我々がモノを売るときに必要なのは確固たる証明であり、BtoBでいえば、実績を超える証明はありません。

だからこそ、弊社(株式会社Marketer’s Brain)では数多くの東証プライム上場企業ほか、多くの企業様の感謝の声、どういう状況から何を成したのか、ということを「実例」として実名開示しているのです。

それに勝る証明が存在しえない、そして、これに勝る「王道」は存在しないことをマーケティングを行うものとして「理解している」からです。

「盛る」という言葉が使われるようになって久しいですが、昨今ではこういった「魅せる技術」があふれているため、我々はある種そういった「テクニック論」に傾倒しつくし、徐々に辟易するようになりました。SNS疲れなどの一因にもなっているのではないのかなあ……、と個人的には思います。

「実績だけで証明し、身の丈で生きる」ほうが厳しくも、清々しく、身軽なものなのですが、自分がそうしていても、周りが「盛って」来る世界なので、早々引くわけにもいかない人もいるのでしょう。

写真に戻って考えても、この問題は一筋縄では無いのだろうなと思います。

たとえば、完全な合成写真や、あり得ないほど情報量を盛った写真は、もはや「写真」とは呼べないことでしょう。しかし、「では、どこまでならセーフなのか」と言われればコレも難しく、線引きも結局は各人に依存するため、「じゃあ、現像もダメだと言うのか」と言えばそうでは無いでしょうし、この難しいラインを決めるのは結局「マイルール」なのだろうなと思います。

ひとつ、私が個人的に思う事は「他人に理解されている自分像と、自分自身で感じている自分像にズレが無いこと」が幸せの定義なんじゃないかなあと思っています。つまり、それは「プライドを持てており、誰かに期待された自分を演じていないこと」です。

己の定めたルールの中で、無理のない「魅せ方」をすればよいのではないかなと、そう思います。

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