半歩広げる

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陸上の写真をマーケティングの観点に触れながら1年半ほど回してきて感じたことは「固定化」のリスクでした。それは、たとえば「桜」なら同じ場所の撮影をしたり、結局同じ樹木の花だったり、催しならば、同じような流れの中にあり、構図も固定化し、とくに昨今「観光地化」が進む日本各地においては「映え(ばえ)」という言葉に象徴されるような均一化です。

それを端的に言うならば「ココからこういう風に撮影すると、奇麗に撮れます!」という文脈になった観光地です。

一方、その辺りを回避すべく「野鳥」などの分野に乗り出そうと考えた時期もありましたが、これはこれで時間や環境の確保が非常にシビアであり、都市圏だと難しい。また、先駆者やローカルルールも大量に存在します。

こういった前提から、「海洋写真」への進出は選ばれましたが、たとえばビジネスポートフォリオの観点で考察すると「競合が少ない分野に出る」というのはある種、差別化としては有効です。それら主に「分母が少ないこと」「競合が少ないこと」「参入障壁が高いこと」などが挙げられますが、それらのハード面での条件が「まず」存在し、当初から陸上写真に抱いていた「偶然性と、撮れ高のバランス」(ソフト面)を考えた時「海に出る」という選択肢は、自分にとってはある種の「必然」でもありました。

ここなら、ライセンスを持った人員しか存在せず、写真を「前提に出来る層」というのも希少種であり、したがって「成果が生み出しやすい」。詳細なメリットは別で論じますが、そういった「場」を抑えておくことは、やはり将来の「選択肢」を考えるにあたっても非常に大きなアドバンテージになる事は往々にしてあるものです。

弊社の祖業は「挑戦」を是としますが、これは「挑戦であれば何でもよい」訳では無く、「勝ち筋」を考えての投資として無理のない範囲で広げます。学習も万事「そう」ですが、「完全なゼロ」ではなく「資産を有効活用して勝ち筋を見出す」という広げ方、つまり、この場合なら「ダイビングを目的」ではなく、「手段」に変える事で、取り組みへの視座を上げるーーという思想は、どんな方にとっても一定の価値をもたらすのではないでしょうか。

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