目線を揃える

31

本ブログのメイン画像になっている白い鳥(ハクセキレイ)の写真は、あるネイチャー系Youtuberが動画の中で仰っていた、「動物の写真を撮るときにこれ1つだけ守れば、良い写真になる」と言う金言を守って撮影したものです。

その具体的なアドバイスとは「目線を動物の高さにする」と言うものでした。

以下の写真も、もう一枚撮影した堂々とした都心の鳩の写真も、基本的には目線の高低差に極端に差が出ないポジションをどうにか(頑張って)確保して撮影したものです。

たしかに、背景までの距離がグンと伸びるため、被写体の後方が上手い具体にボケており、結果的に、望遠レンズを持って1日目とは思えないような、満足のいく写真になったなと思います。

もの凄い近づいてみたら、ぎゃくにドヤってきた威風堂々な近所の鳩さま。

実は、マーケティング施策にも出てくる「目線」

ところで、この「目線がそろう」というのは、マーケティングの世界でも重要なエッセンスだったりします。たとえば、あるBtoB企業が、何か製品を売ろうとしたとき、「担当者に響くこと」と「経営者に響くこと」は必ずしも一致しない……と言ったような話です。

具体的に、技術的な課題に困っている現場では、その解決策の訴求を求めるのに対し、経営層は投資対効果の改善など、大きな粒度でものを見ることが多い。そういった「目的と手段」が、企業中では職位や部署により、多様に分解されており、これらの「目線」に対して、正しいアプローチを適切に配分できる事で、マーケティングの成果は向上するのです。

このような話は、「言われてみれば、当たり前」のように思えるかもしれませんが、これはどうしても現場にいると現場の目線になりますし、現場を離れて、経営に携わると次第に現場の感覚がなくなってしまうのは、ある種、仕方のない事でもあります。

そのとき、いかに「お客様目線(まさに)」になり、その目線で向かい合えるか? と言うのが重要なファクターとなるのですが、とにもかくにも、そのような対応が出来たとき、まさに冒頭にあるような「目線のあったドンピシャの構図」が成立する……というのは、なんだかおもしろい整理だなと思います。

われわれ人間は、個別の身長を持っており、基本的には普段からその「目線」で生きています。ですから、子供の膝の高さや、地面スレスレ、あるいは、両手を挙げたほど高い位置からモノを見る……と言う事を普段から習慣にはしていませんし、だからこそ、その視点から「見える世界」というのも理解していません。

しかし、こうして何事も「真正面」から見てみると、これまで気づかなかった景色が存在しており、したがってアプローチも成果も変わるものです。いま、この場でも出来ることがある。そう考えると、いままで「これしかできない」と思っていた可能性も、もう少し、幅が広がるのではないでしょうか。

そんなことを、この取れ高を見ながら、なんとなく思いました。

関連記事