私たちの思考と言うのは面白いもので、何かを見たときにサーっと思いを馳せるのに、それは「流れゆくもの(フロー)」だからこそ記憶に残らず、最後には「そう感じたことすら忘れてしまう」ものです。
マーケティングコンサルティング活動の一環として、あらゆるものに「言葉を添える」と言う事を行ったり、「平易にかみ砕く」と言う事を日々行っているのですが、実に人に話をうまく伝える手段のひとつは「たとえ話をすること」だと思います。
それは、視覚的に言うのならば、何かを見たときに「まるで、〇〇のようだ」と言った風の感想を持つことです。今回は上手く写真が取れなかったのですが、休日に、大きさの違うショベルカーが何台も同じ方向を向いて並んでいる様子が「カルガモの親子」のように見えたりもしますし、言葉の一部や言葉と周囲の様子を対比して「切り抜く」などと言う事も楽しみ方の一つでしょう。
こちらは、晴海に出来るタワーマンションのショールームか何かで「HARUMI SKY何とかレジデンス」なんだと思いますが、端っこだけを切り取ることで「春の空(キリッ)」みたいな切り取り方ができました。
「空だから空!」みたいな部分は、撮影している自分だけが「クスッ」とするものですが、案外このような言い換えや切り取りはコピーなどを作る際に応用が利くものです。
また、こちらも写真には上手く収められなかったのですが、「銀座方面」に向かう標識の前に、外国人観光客を乗せた「はとバス」が、列をなして信号待ちをしている様子に出くわしました。
「きっと、到着が待ち遠しいのだろうなあ」と遠巻きに様子をみていたのですが、もし、それらの様子を奇麗に写真に収められれば、写真の中に「気持ち」を投影したようなものが残せたのかもしれないなあと、まあこの辺り、今後の課題になりそうです。
今日しか出会えない瞬間を切り取る練習
冒頭のカルガモに見えたショベルカーにせよ、抜けた空の前に切り取ったSKYタワーにせよ、このコラムでお見せしている「どこまでも、クロイ」にせよ、近隣の風景の中に見えた「その日にしか現れなかった瞬間」になるのだと思います。
こちらの「クロイ」は、調べてみたところ、どうやらお店もそのコンセプトで開かれているバーなどのようなのですが、それにしてもメニューの黒板も全部消えて「黒」になっている様子は「面白い瞬間」だと思い、収めてみました。
きっと何も目を配らず、感じずに過ごしていれば、文字通り「何事もなく過ぎていくはずだった」日常を捉える視界の広さ。
そして、その刹那に感じたことを「構図」に落とし込んで「作品」に「具現化」していく一眼レフを使った撮影は、ユーモアを育む、あるいは鍛えるための有効なアプローチと言えるでしょう。
そのような「眼」と「心」を養えることも、マーケティングに役立つトレーニングであり、写真撮影の面白さの一つと言えそうですよね。