境界をぼかす

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マーケティングコンサルタントとして様々な企業をお伺いしていますが、多くのクライアント企業様を見ていて常々感じるのは、「マーケティング」を「学問のひとつ」のように捉えており、もの凄く肩ひじを張った感じで学ばれているかたが非常に多い……と言う事です。

言い換えるとこれは、「スイッチのONとOFFの切り替えが明確に見える」と言う感じの脳の切り替えを感じるようなイメージです。正直、それだと「本当の意味で体得していく」のは大変だろうなと思います。

端的に日常生活や、写真撮影などの趣味に考えなおすと分かりやすいのですが、たとえば我々がスマホを使う時「よし! いまからスマホ使うぞ!」と思って使う人は、まずいないと思います。もはや生活に溶け込んで、シームレスにこれを活用する。

「使っています」と言うイメージ(意識)すらなく、日常のワンシーンのように情報を発信したり、情報を獲得する手段として、オンライン、オフラインを問わず手段のひとつとして選択しているのではないでしょうか。

写真にしてもそうです。「カメラを持つ」と言う行為は、他の趣味と比較しても非常に、「他の行動を阻害しない」事が大きなメリットのひとつです。たとえば、GWで旅行に行く際も、そこにサッカーボールやラケットを持って行っても「ほぼ、意図を持って使わなければ使えない」でしょうが、カメラであれば多少装備がかさんでも「とりあえず持っていく」事は出来ますし、旅行先で美しい景色や、面白い被写体に出会えれば、サッと行動を疎外せずに撮影を行う事が出来ます。

これは、行為そのもののみならず、「意識」と言うレベルでもかなり大事な要素で、要するにこの瞬間「仕事とプライベート」と言う意味では境界がものすごくあいまいになっています。だからこそ、「やらないといけない」のような義務感やプレッシャーを感じることなく、本当にシームレスに、自然に、楽しみながらスキルアップと言うのが実現していきます。

翻ってマーケティングに話を戻しても「そう」であり、たとえばコンビニやスーパーなどで、何となく買い物に入れた商品には「なんとなく」ではなく、そこには「購買の理由」が存在しますし、これは電車の中づり広告や、旅先で興味を持ったイベントなども同様です。

重要なのは「なぜ、そこで心を動かされたのか?」と言う、自らの行為に関する「理由」であり、これを論理的に分解できることが、イコール顧客の気持ちが分かる、もっと言えば、マーケティングの本質に触れている……と言うことになります。

そして、それこそが、何よりもの研鑽であり、自然体だからこそ血肉のように得られる経験値になっていきます。

このように、知識として学ぶことと、経験を通じて体得していく違いと言うのは、世の中のあらゆる局面で自然に見ることが出来ます。無理をしない事は、成長における重要な要素の一つだと思います。だからこそ、「コツコツ積み上げる重要性」を理解し、無理なく継続していきたいものです。

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