迷いを消す

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海中写真というのは、基本的に「ダイビング機材+写真機材」となっており荷物がかさみます。加えて、海中で写真を撮影するためには「ハウジング」と呼ばれる鎧の様な装備をカメラ全体に行う必要があるため、「レンズの交換」をすることが出来ません。

そうなると、基本的には「持ち込めるレンズは1本」となり、「制約」になるのですが、実は同時にこれは「集中」と言う意味ではポジティブに作用します。つまるところ「撮影できるものは出来るし、出来ないものは出来ない」という「割り切り」が発生するためです。

あたりまえですが、単焦点(100mマクロレンズ)では、海況すべてに影響するような「大きな景色」は撮影できませんし、魚の群れにしても「表現の限界」は簡単に露呈します。いわゆる「アクションカメラ」や「コンデジ」であればモード設定を使う事で、場の状況に「対応」することもできますが、それは時として「判断」という時間を求める行為に繋がります。

体を完全に自由に動かせるわけではないダイビングの渦中にあり、加えて被写体が高速で遊泳する「魚」あるいは、波の影響を受けることを考えれば、実はこの「一瞬の迷い」はシャッターチャンスを失う可能性にすら直結する可能性がある。したがい、「出来ない事」は、じつは「迷いを消す」と言う意味ではポジティブに作用します。

写真は、浮遊する稚魚を捉えたものですが、手持ちの装備から「どれを選ぶのか」よりも「これしかない」の方が、状況に対応できるケースは「まま」あります。ビジネスやマーケティングも同義ですが、結局我々は「手持ちのカードでしか勝負が出来ない」と言う存在である以上、ある程度の「当りと決め打ち」を経験則から導き、そこに適応を進めることが、実は何よりもの「成果」になると感じます。

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