準備を入念に行う

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自らビジネスをしていて特に気を配っていることは「準備力」です。「仕事は段取りが9割」などと言う人もいるくらいですから、仕事における「準備」の重要性は一定のパフォーマンスを求めるビジネスパーソンなら押さえておきたい重要項目です。

それは、趣味の領域にも言えることで「知らないから」こそ、準備を手厚くすると、たとえば「一眼レフ」のような趣味であれば「二度と訪れないであろう瞬間」に対して「自分のベストパフォーマンス」が出せることでしょう。実際、自分はカメラを持っていてこんなことがありました。

焦点距離400mm、望遠で抑えたので線路が良い感じに収まった。

それは、2024年の1月20日(土)に、東京駅に「ドクターイエロー」という、真っ黄色な新幹線がやってくる事を知った時の事でした。ドクターイエローとは、は新幹線設備である線路や架線の状態をチェックする点検車両のことで、なかなかお目にかかれる被写体ではなく、その運航は月に3回しかありません。

しかも、いわゆる「鉄道マニア」が運行状況を高い精度で「予測」はしてくれるものの、確実にお目にかかれる保証もなく、運行がお休みの日にかかる……と言う訳でもないのです。

と言う訳で「観ると幸せになる黄色い列車」とまで呼称されるこの新幹線が、土曜日に東京駅に来てくれる(と言う予測な)のは、この上ない幸運な訳なのですが、そもそも私は、鉄道の撮影経験、も無ければ、道具もまだまだ使い慣れていない訳です。ついぞ先日、望遠レンズを担いで上野動物公園で動物を被写体に練習こそしましたが、そもそも動物と列車だと勝手が違って当然でしょう。

また、鉄道界隈ではいわゆる「鉄道マニア」や「撮り鉄」と呼ばれる方が多く存在する事は、誰もが知るところです。東京駅の混雑具合もわからなければ、撮影のルールやマナーすらも見様見まねで対応するしかない訳です。しかも、駅で撮影をするとなると、お仕事の邪魔をすることは間違いないわけで、ここは慎重に物事をすすめたいところです。

あらゆるシチュエーションを想定する

そんなこんなで「困った」ばかりですが、誰に学べるでもないので、こういう場合は調べるしかありません。幸い、インターネットの発達した現代社会においては、動く列車の目撃情報はSNSで随時更新されていますし、過去のドクターイエローの東京駅での様子は、ブログやYoutubeを見れば数多くアップされています。人だかりが多い、スマホでパシャパシャとる人も多い、停止ラインの辺りは人だかりで、喧嘩になることもあるようだ。東京駅ではなく、周辺の駅やスポットなどからでも撮影できる場所がありそうだ……など、多くの情報を仕入れ、18時前後に到着すると言われているドクターイエローの撮影スポットを探すために、午後2時(14時)頃から、有楽町~東京までのスポットを確認して回りました。

また、特に準備していたのはレンズです。都心なので基本的には「標準レンズ」で事足りるのですが、駅のホームの長さ、新幹線の車両の多さを鑑みて、今回は「望遠レンズ」も持参することにしました。

そして、実際に、私の作品になったこの「ドクターイエロー」の写真は、望遠レンズで圧縮効果を使って抑えたものです。

周囲には同じく望遠レンズを抱えた人が1人だけいるだけで、この構図の少し右にレンズをずらせば、やはり、事前のYoutube動画で見ていたような、黒山の人だかりが発生していました。今のご時世は、スマホにカメラが付いていますから、あらゆる人がもみくちゃになりながら撮影をしている訳です。まあ、こういう「珍しいもの」をみたら「撮りたくなるのが人情」というものですから、その行為自体をどうこういうことはないのですが、やはりこういうときに「準備をしておいてよかったな」と思うことしきりです。

今回は、はじめての「夜の撮影」にもなったのですが、幸いYoutubeで学んだ連射機能を扱う事で、自分の実力不足を機械に補ってもらう事が出来ました。そして、私は「小さな成功体験」を勝ち得た訳ですね。これがまた、次の自信につながる……と言うお話は、別のコラムでもお伝えしている通りです。

仕事においても、趣味においても「準備」と言うのは重要です。特にそのケースに精通していないときこそ、念には念を入れて取り組んでいきたいものです。

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