欲目を捨てる

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私の経験則から、当初の話だと、コンサルタントとして面談をしたタイミング。支援が始まり、マーケティング施策を進める中だと一定の勝ちパターンが出てきたタイミング。ある程度、段階を踏んで実績を手にした後なら、その方が地位を持って時間がある程度過ぎたタイミング。どんなタイミングでも同じように生じる「難しい判断」があり、それは何かというと「欲目」との付き合い方です。

たとえば、面談後ならシンプルに「面談内容には非常に満足しているが、これを機にもう少し探ってみることにした」等の話を企業様のフィードバックから頂く事があります。これを具体的にした企業様の状況は「思ったよりいい人材がいるかもしれないから探ってみる」とか「聞いた話を自分たちなりに取りあえず試してみたい」みたいなケースになる模様です。

施策を進める段階でもにたようなケースはアリ「行けそうだ」と出てきたタイミングでは、どうあってもこれを中心に物事を進めたくなりますし、実績を持って成功を手にすればそれを元手に様々な(個人にしろ企業にしろ)将来設計をしたくなることでしょう。

実は、これらすべては「欲目」と呼ばれるものです。欲目とはシンプルに「知る前なら考えなかったはずの、知ってしまったから出てきた選択肢」です。これとの付き合い方は本当に難しい。と言うのも欲目と言うのはどうしても成功体験から生まれているため、多くの方が「固執」してしまうものであり、そこに夢を見るのが人間の性だからです。

これは写真撮影についても同じようなことが言えます。

1枚、良さげなものが撮れたのをきっかけに「もっと、良いものが撮れるかも…?」と、同じ被写体の前で構図を変えて何度も粘ってみたり、色々な撮影方法を試してみたりする。でも、実際に何枚も写真を撮ってみて最後に思う事は「結局、最初に撮れていたものが一番良かったな」と言ったようなもの。

写真ならまだ、この程度の損失で済むのですが、それよりも大きいのはビジネスでこの判断をした時です。

そのような判断により、数か月、下手をすると数年という時間を費やす判断は、その決断をした企業の状況を基本的に「よくする事」はありません。良くて現状維持、大抵は状況悪化。なぜなら「貴社がそのままであっても外的要因が動いているから」です。

それで、悪化をしてから連絡を頂く事もありますし、まだウダウダ言われていることもありますが、そんなケースをビジネスでも何度も見ている私が言えることは1つで静観することにしています。肝要なのでも冷淡なのでもなく、シンプルに「こういうのは本人が気が付かないと分からんのだよな」と、達観している……という表現が正解かもしれません。

そんな経験則を持つからなのか、写真撮影でも、被写体の前では無理に粘らずパッと「切り替える」ようにしています。もし、それで良い絵が撮れなくても、それもまた一興だと思っていますし、こういうもののは「ハマればこそ」だからです。

ウダウダと滞留し、欲目を持っても、そもそも「気持ちのいい状態」にはなっていません。何か後ろ髪をひかれるようなねちっとしたような感覚。そういった物もまた「固執」から生まれる負の遺産かもしれません。

そういうことで「欲目」を知り、それに固執しないことはビジネスにせよ、撮影にせよ、次のチャンスを活かすためのヒントになると思っています。街を歩き、スナップ写真を切り取る。そんな自分は、これを「スナップ写真撮影という行為」から、日々鍛錬しているのかもしれません。

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