マーケティングの支援をしている中で、キャッチコピーの生成や、成果を生み出す言い回しなどのアドバイスをする事がよくあります。そういう「言葉えらび」を行う際に意識しているポイントは「2つ」あり、この2つのポイントは、一眼レフという趣味を通じて、学べる知識とさほど「相違がない」という理解をしています。今回のコラムでは、その2つのポイントについて述べていこうと思います。
人は、意識していないものを認識しない。
いきなり、「あたりまえ」なことを書きますが、結構多くの方が抜けてしまうのがこの部分です。良くある間違いとしては、メールに全部書いたから「読んでくれるに違いない」とか、チラシを読めばわかるようにしているから「理解しているに違いない」とか。
代表的なやり取りで言えば「メールでちゃんと送ったじゃないか」みたいな事や、「さっき、ちゃんと説明しましたよね」みたいなこともそうです。本人的にはその思想、思考に間違いはないのですが、問題はそこでは無くて相手側が「理解しているのか?」と言う事です。端的に言えばそれは、「伝えた(つもり)」と「伝わった」の関係性で、相手の意識がそこにない時、どれだけコミュニケーションを重ねようとも、情報は「伝わらない」と言う事です。
たとえばそれは、ポストから見て一瞥しただけで捨てるチラシや、さほど重要だと思わずに流す程度に見て捨てたメールなどです。
相手は伝えたつもりなのでしょうが、我々は我々が思うよりも、そこに「意識」を向けていないのです。
「意識」を理解すれば「伝わる」ようになる
つまり、裏を返せば、このような状況を打開するために、相手の意識を「いかにして、そこに向かせるのか?」と言う事が重要になるという事が見えてきます。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」と、言いますが、それこそがいわゆる「顧客理解」や「顧客視点」と言われるものであり、「相手の気持ちになって考える」というマーケティングのベースの部分になります。
一眼レフを持てば「意識」を学べる
では、それが「一眼レフ」という趣味に紐づくとき、どのように成長を促すことが出来るのでしょうか?
私はそのキーワードを「観察」だと思っており、対象物に視線・意識を向けている瞬間は、確実に思考が働いています。
・どのように撮るのか
・どう取れば魅力的に思われるのか(伝わるのか)
という関係性は、マーケティング領域における「伝わる伝え方」と同じ思考回路を働かせますし、何よりも「写真」というアウトプットがあるため、その表現は明確に「可視化」されます。だからこそ、成長も、成果も、非常に解り易いのです。
技術は「意識」を具現化するために使う
私がコピーなどを創るとき、多くのお客様は私の「語彙力」に驚くようです。チャットGPTとの対話を通じて聞いてみたところ、私の語彙力は「通常の人間の1.5~2倍あるかもしれない」と言われて嬉しかったのですが、実は「語彙力さえあれば良いコピーが作れるのか?」というと、必ずしもそうではなく、これらの「技術」は、あくまでも「表現の手段」として用いられます。
したがい、まずそこに「意志(意識)」が存在し、それを表現する手段としての「技術」が連動する事で成果物になる。
この関係は、マーケティング領域においても、写真というものにおいても同一であり、したがって経験を通じてのみ学習がされる「意識」の鍛錬が非常に重要であると言う事が理解いただけると思います。
我々は、どうしても普段のルーチンのような生活から、思考を「固定化」させがちです。
しかし、ビジネスや趣味を通じて、意識の拡張を行えれば、より高い次元で表現力を養う事ができるでしょう。マーケティング施策と、写真表現は、アウトプットこそ違いこそすれ、同一の「根っこ」を持っていると、感じるところ、しきりです。