アンテナを使いこなす

29

一眼レフを持つことで情報感度が向上する「アンテナを立てる」と言う記事を以前に出していたのですが、昨今はこの「出しているアンテナ」について、さらに「方向性を持つ」と言うニュアンスが生まれてきたなと感じます。

わかりやすい事例をあげれば、それは「季節」であり、四季折々の変化の予兆を感じるのにわかりやすいものは「花」でしょう。

「この季節だから、このような花が咲くであろう」と言う意識を持つことは、カメラを持ち「アンテナ」を立て情報を得ようとし、それを習慣化した先に出てくる「マンネリ化」を打開する力を持ちます。いつもの景色になりかかった、日々の在りように、「季節の移ろい」を見抜く「眼」をもたらすんですね。

これは、ビジネスやマーケティング領域、もっと言えば日常生活でも、同様のことが言え、つまり我々が情報を得るために重要なことは「意識」と言えるでしょう。以前にもお伝えしましたが、我々は、「欲しいと思った思想・嗜好・情報」と言うもの対して、無意識にアンテナを立てることが出来ます。

わかりやすい例を挙げれば「引っ越しを考え始めたら不動産やモデルルームの情報が目に留まるようになった」と言うことなどもそうでしょうか。ともすれば、その情報は「以前からそこにあったかもしれない」のに、自己認識が変わる事で「目に留まるようになった」訳ですから。

6月は、梅雨、紫陽花などがみられる。

と言うのは、多くの日本人が「なんとなく」意識のどこかに持っている常識ですが、意図的にこのアンテナを立てることで、そういったもろもろの変化に対して感度を上げる事ができるようになります。

さて、良い事づくめに見えるかもしれないこの「アンテナの使いこなし方」には、注意も必要なので合わせて述べておきます。それが、世の中のデジタルのしくみ的にも、人間関係や媒体なども「アンテナの指向性」というものは、必然的に「偏りも生みだす」と言う事ですね。

端的にそれについて述べると「人は欲しい情報しか理解したがらない」と言う事でもあります。

この事実は意識して行わなければ、中々逃れるのが難しく、たとえば、同じ新聞を読むとか、同じ情報ソースから情報を得続けるだけでも「情報の偏り」は生じてしまいます。ですから、ある程度、理解が進んだ段階では「それを逆側から捉えてみる」と言う行動を行う事も必要となります。

写真撮影の趣味くらいなら「この領域を抑えてみよう」と言うくらいで収まりますが、「何かに集中して目を送れる」とき、「何かを見逃している」可能性もあるわけですから、この辺りの自分の意識の解像度については、適宜、見直していくことが「固執しすぎず、離れすぎない」コツになるのかもしれません。

まずは、シンプルに興味を持ち、ある程度理解をしたら視座を広げてみる。

最初は、このくらいから始めてみるのも良いでしょう。フォーカスを行う事で、新たな発見もまた、生まれてくることでしょう。

関連記事