余白を楽しむ

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先日、プロに学ぶレタッチのイベントに参加した際、午前中は「撮影の時刻」だったのですが、天候はあいにく曇天で雨も降っており、時折結構な雨量にもなっていたので、撮影コンディションとしては正直「良くない」状況でした。まあ、撮影そのものが「濡れながらでしんどい」という一般的なところもそうですが、そこは初心者の気合い(期待)と根性で解決するとしても、被写体の後ろが「曇っていて見えない」のがなんとも「映えない」訳ですね。

だから、せっかく雨の中シャッターを切っても「抜け感のあるカッコいい飛空ショット!」なんぞは撮れない訳です。

さて、重要なのはここからで「じゃあ、こういう時にどうしようか?」と言う話こそが重要であり、私はこのなんともテンションの上がらない状況を打開するための思考法を「余白を楽しむ」と言う考え方でクリアします。

具体的には「じゃあ、せっかくだから今なら集中できる事をやろう」と切り替える訳です。

コントロールできるのは「自分」だけだから

結局、このケースの場合「晴れろ!」とゴネたところで天候が回復してくれるわけもありませんし、今日はツアーだから、「じゃあ、帰ります」と言う訳にもいかない。

ですから、そんな状況下で私が出来ることは「この場で何かをする」ことだけになります。

そして、そういう時こそ実はチャンスなのです。「ベストコンディションなら絶対にやらないけど、この状況なら最優先事項にできること」を探す。そうすると、「おう。そうだ、流し撮りやってみよう!」と、なって、シャッタースピードを飛行機に併せながら背景だけをぶらすテクニックに挑戦することになった訳です。

だって、これって「晴れているとき」にやろうが、曇天でやろうが「背景はぶれる」訳ですから、むしろベストコンディションの時にこんなことをやっていたら「もったいないにもほどがある」訳でして、従来なら最有力候補にはならない。

しかし、この天候なら「他にすることがない」事も手伝って、思う存分流し撮りが出来る訳です。

結果、私は座学の講義がはじまるまでの1時間以上、流し撮りを練習し続けて、最終的にはこんな写真を「パシャリ」できました。

これで私は一定「おお、できるじゃん! 掴めてきた!」となり、今後の選択肢が広がったわけです。まさに成長を体感した瞬間です。

なお、こういう話は、何も趣味だけのみならずビジネスでもあり得る話です。

「本当はやりたくない施策だけど上層部の決定でやらないといけなくなった」とか、「組織的にこういう制約があってどうしてもここが動かせない」とか。

そういう時に、不貞腐れたり、イヤイヤやるのは簡単ですが、実はそこには「じゃあ、今だからできるチャンスあるやん」と、自分なりの何かをねじ込めるタイミングが、実は多かったりします。その検証を糧に、次のステップを改善する。

そんな風に「与えられた状況は、考え方次第では逆に利用できるかもしれない」ことを、選択肢の1つとして覚えておきたいものです。

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